結論:基本情報技術者で苦手になりやすい「SQL・ネットワーク・アルゴリズム/データ構造」は、参考書の暗記より、実際に手を動かして手触りを得るほうが定着が速いです。 ブラウザで動かせる教材で概念を腹落ちさせてから過去問に戻る——この順番にすると、抽象的な用語が「意味のある動き」に変わり、記憶に残ります。
先に断っておくと、これは過去問演習の代わりではありません。合格の主軸はあくまで過去問(科目A・科目B)です。ここで紹介するのは、過去問で正答率が上がらない苦手分野について「なぜそうなるのか」を体で理解するための補完です。理解の土台ができると、過去問の解き直しの吸収が速くなります。
なぜ「暗記」で止まると点が伸びないのか
基本情報で苦手になりやすい分野には共通点があります。用語が抽象的で、頭の中で「動き」が想像できないことです。
- 「サブネットマスクで区切る」と言われても、区切った結果どうなるのか手が動かない。
- 「正規化する」と言われても、表を分けると何が嬉しいのかピンとこない。
- 「計算量 O(n)」と言われても、なぜ速い/遅いのかが実感できない。
暗記だけだと、少し問われ方を変えられると崩れます。逆に、一度でも自分で動かして結果を見た概念は、問われ方が変わっても崩れにくい。ここが「手を動かす対策」の効きどころです。
Become-Coder はブラウザ上でそのままコードやコマンドを実行できます。インストール不要・無料・登録不要なので、参考書で詰まった単元だけをつまみ食いで動かして確認できます。
SQL対策:SELECT と「正規化」を実際に動かす
SQLは基本情報でも科目Bでも問われる頻出分野です。参考書だと SELECT・結合・正規化がテキストの羅列になりがちですが、実際にクエリを打って結果表が変わるのを見ると一気に腹落ちします。
まずは検索(SELECT)から。列を選ぶ・行を絞るという基本を、ブラウザ上のデータベースで実行してみてください。
- SQL DMLコースの最初のレッスン(SELECT ― 列を取り出す) — ブラウザでそのままクエリを実行できます(無料・登録不要)。
- 書き方をもう少し丁寧に追いたいなら、記事 SQL SELECTの書き方|WHEREで条件を絞る使い方 もどうぞ。
「正規化」は基本情報の午前でも頻出です。なぜ表を分けるのかを、実際にテーブルを設計しながら理解するのが近道です。
- SQL DDLコースの最初のレッスン(なぜ表を「分けて」設計するのか) — 正規化の「気持ち」をブラウザで手を動かしながら掴めます。
過去問で「この結合結果はどれか」「第3正規形はどれか」に迷ったら、参考書を読み直す前に、上のレッスンで同じ形を自分で作って結果を見るのがおすすめです。
ネットワーク対策:TCP/IP・ping・サブネットを触って掴む
ネットワークは「TCP/IPとは」「サブネット計算のやり方」「DNSとは」と、用語が積み上がっていく分野です。文字だけで追うと混乱しますが、階層モデルとコマンドの実行を対応づけると整理できます。
まず概念から。IPアドレスとネットワーク/ホスト部の考え方、そしてサブネットで区切るとはどういうことかを、図とともに読める読み物レッスンです。
- ネットワークとIPアドレス ― サーバーの住所 — IPアドレス・サブネットの土台。サブネット計算の「なぜ」がここで分かります。
- TCP/IP ― データが届くまで(階層モデル) — 「TCP/IPとは」の階層モデルを図で整理。
概念を読んだら、実際にコマンドを打って動きを確認します。Become-Coder のネットワークコースは、後半のコマンド系レッスンをブラウザ上の擬似端末で実行できます。
- ping ― 相手に届くか確かめる(ブラウザで実行可)— 疎通確認の基本。
- DNS ― 名前からIPアドレスを引く(ブラウザで実行可)— 「名前解決」を dig で体感。
「サブネット計算のやり方」でつまずくのは、/24 や 255.255.255.0 が何ビットを固定しているのかが見えないからです。ネットワーク部とホスト部を分ける発想を network-01 で掴んでから過去問の計算に戻ると、機械的な暗算に頼らず筋道で解けるようになります。
アルゴリズム/データ構造対策:科目Bの土台を用語から固める
科目Bはアルゴリズムとデータ構造が中心です。ここも「用語の暗記」で止まると、擬似言語のトレース問題で崩れます。まずは言葉の意味を正確に押さえるのが先決です。
Become-Coder の用語集(Wiki)で、頻出の基礎語を短く確認できます。
- アルゴリズムとは(Wiki) — 手順・計算量の考え方。
- データ構造とは(Wiki) — 配列・リスト・スタック・キューなどの整理。
- ハッシュとは(Wiki) — ハッシュ表がなぜ速いのか。
- 再帰とは(Wiki) — 科目Bで問われやすい再帰の考え方。
用語の意味が固まったら、実際にコードを書いて同じ処理を自分の手で動かすと、計算量や再帰の呼び出しが「見える」ようになります。ブラウザで動かせる入門コース(Python など)で、配列やループを実行して確かめてみてください。トレース問題は「頭で追う」より「一度書いて動かす」ほうが速く身につきます。
AWS・クラウド・Linuxもついでに土台化
基本情報の周辺(そしてAWS認定クラウドプラクティショナーなど次の資格)では、クラウドとLinuxのCLIも問われます。ここも読み物+実行で手触りを作れます。
- クラウドとは何か ― オンプレミスとの違い(AWSコース) — 「AWSとは」「クラウドとは」の第一歩。
- Linuxコースの最初のレッスン(pwd と ls) — ブラウザ端末でコマンドを実行。CLIへの苦手意識を消せます。
- Webの仕組みが問われる文脈では Web APIとRESTとは も土台固めに役立ちます。
「過去問サイトで十分では?」への答え
もっともな疑問です。合格するだけなら、過去問演習が最優先なのは間違いありません。この記事も過去問を置き換えるものではありません。
ただ、過去問を回しても正答率が上がらない苦手分野があるはずです。SQL・ネットワーク・アルゴのように「用語は覚えたのに、少し変えられると解けない」分野がそれです。原因は、暗記が概念の「動き」に接続していないこと。
そこで、過去問で詰まった単元だけを、ここで挙げたレッスンで一度動かして「なぜそうなるのか」を体で理解し、その足で過去問に戻る。これが最短です。過去問=アウトプット、実行教材=理解の補完、と役割を分けて使ってください。全部やる必要はありません。自分の苦手な単元だけつまみ食いすれば十分です。
次に読む・動かす
- SQL DML(SELECT・WHERE・結合) — ブラウザで実行できるSQL入門。
- SQL DDL(正規化・テーブル設計) — なぜ表を分けるのかを手を動かして。
- ネットワーク:IPアドレスとサブネット → TCP/IP → ping → DNS。
- アルゴリズム/データ構造の用語:アルゴリズム・データ構造・ハッシュ・再帰。
- 次の資格へ:クラウド/AWSの第一歩・Linuxコマンド入門。