導入
1つの MATCH ... RETURN では表現しきれない、段階を踏んだ処理をしたいことがあります。そこで使うのが、クエリを前後でつなぐ WITH 句です。
説明
WITH は「ここまでの結果を、次の処理に引き渡す」ためのキーワードです。RETURN によく似ていますが、RETURN がクエリの最後で結果を確定させるのに対し、WITH はクエリの途中で使い、その後にさらに MATCH や WHERE を続けられます。
MATCH (a:Person)-[:ACTED_IN]->(m:Movie)
WITH a, count(m) AS movieCount
WHERE movieCount >= 2
RETURN a.name AS actor, movieCount
ORDER BY movieCount DESC
flowchart LR
M["MATCH<br/>俳優と出演映画を探す"] --> W["WITH<br/>俳優ごとに件数を集計して<br/>次に引き渡す"]
W --> WH["WHERE<br/>2本以上の俳優だけに絞る"]
WH --> R["RETURN<br/>結果を返す"]
このクエリのポイントは、集計した後の値(movieCount)に対して WHERE で条件をかけていることです。実は、集計そのものに対する条件(SQLでいう HAVING に相当する処理)は、WITH で一度集計結果を確定させてからでないと WHERE で使えません。これが WITH の代表的な使いどころです。
WITH は「クエリのパイプライン」を作る道具だと考えると理解しやすくなります。前段の結果を次の段に渡し、その段でさらに絞り込みや加工を行い、また次の段へ……という形で、複雑な処理を小さな段階に分けて組み立てられます。