導入
MATCH は、パターンに一致するものが1つもなければ、その行自体が結果から消えてしまいます。「関係があってもなくても、ノード自体は結果に残したい」というときに使うのが OPTIONAL MATCH です。
説明
たとえば、すべての Person ノードについて、監督した映画があれば一緒に表示し、なければ「監督作品なし」として表示したいとします。
MATCH (p:Person)
OPTIONAL MATCH (p)-[:DIRECTED]->(m:Movie)
RETURN p.name AS name, m.title AS directedMovie
MATCH (p:Person)で、すべての人物をまず取得する。OPTIONAL MATCH (p)-[:DIRECTED]->(m:Movie)で、その人物が監督した映画があればmに入れる。もし監督作品が1本もなければ、mはnull(値がないことを表す特別な値)になる。
これは、RDB(リレーショナルデータベース)における LEFT JOIN に相当する動きです。通常の MATCH(INNER JOIN 相当)では、一致するものがないノードはまるごと結果から消えてしまいますが、OPTIONAL MATCH(LEFT JOIN 相当)を使うと、一致するものがなくても元のノード(p)は結果に残り、一致しなかった側(m)だけが null になります。
graph TB
subgraph normal["MATCH のみ(一致しないと消える)"]
n1["監督作品がない人物は<br/>結果から消える"]
end
subgraph opt["OPTIONAL MATCH(一致しなくても残る)"]
o1["監督作品がない人物も残り<br/>m は null になる"]
end
「関係が存在するかどうか自体を知りたい」ときにも便利です。次のように書けば、directedMovie が null かどうかで、その人物が監督作品を持つかを判定できます。
MATCH (p:Person)
OPTIONAL MATCH (p)-[:DIRECTED]->(m:Movie)
RETURN p.name AS name, m IS NOT NULL AS hasDirected
この章では、WHERE による絞り込み、向きやホップ数の指定、並び替えとページング、そして「あるかもしれない関係」を扱う OPTIONAL MATCH を学びました。次章では、いよいよデータを更新する方法(MERGE・SET・DELETE)に進みます。