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BecomeCoder

Pythonコース · 第8章 Python の道具箱 ― もっと便利に、もっと実務らしく · レッスン34

仮想環境と pip ― プロジェクトごとに環境を分ける

ローカル実施

導入

実務で Python を書くとき、プロジェクトごとに使う外部ライブラリやそのバージョンが異なります。1つの Python 環境に何もかも入れてしまうと、あるプロジェクト用に入れたライブラリのバージョンが、別のプロジェクトを壊してしまうことがあります。それを防ぐのが仮想環境です。

説明

外部ライブラリのインストールには pip(Python の標準パッケージ管理ツール)を使います。

pip install requests

これだけで requests のようなライブラリがインストールされ、import requests で使えるようになります。ただし、これを何も考えずに実行すると、パソコン全体で共有される Python 環境に入ってしまいます。

そこで使うのが**仮想環境(venv)**です。プロジェクトごとに独立した Python 環境を作り、そのプロジェクト専用にライブラリをインストールします。

flowchart TB
  py["パソコン全体のPython"] --> a["プロジェクトA用の仮想環境<br/>requests 2.31 / pandas 2.0"]
  py --> b["プロジェクトB用の仮想環境<br/>requests 2.25 のみ"]

作り方は、Python に標準で入っている venv モジュールを使います。

python -m venv .venv

これでプロジェクトのフォルダに .venv という仮想環境ができます。使うには**有効化(activate)**が必要です。

# Windows (PowerShell)
.venv\Scripts\Activate.ps1

# macOS / Linux
source .venv/bin/activate

有効化すると、ターミナルの表示に (.venv) のような印が付き、以降 pip install したライブラリはこの仮想環境の中だけにインストールされます。作業が終わったら deactivate で元に戻せます。

プロジェクトで使っているライブラリの一覧は、慣習として requirements.txt というファイルにまとめます。

requests==2.31.0
pandas==2.0.3

他の人がこのプロジェクトを動かすときは、次の1行で同じライブラリ一式を再現できます。

pip install -r requirements.txt

こうしておけば、「自分のパソコンでは動くのに、他の人のパソコンでは動かない」というバージョン違いのトラブルを避けやすくなります。

まとめ

  • pip は Python のパッケージ管理ツール。pip install ライブラリ名 で導入する。
  • 仮想環境(venv)はプロジェクトごとに独立した Python 環境。ライブラリのバージョン衝突を防ぐ。
  • python -m venv .venv で作成し、activate で有効化してから使う。
  • 使用ライブラリは requirements.txt にまとめ、pip install -r requirements.txt で再現する。

おわりに

お疲れさまでした。ここまでで、Python の基礎から、例外・ファイル・内包表記の発展形・標準ライブラリ・型ヒント・デコレータやジェネレータ・環境構築まで、実務でも使う一通りの道具を学びました。あとは実際に手を動かして、小さなプログラムを自分で組み立てていくのが一番の近道です。分からなくなったら、この教材にいつでも戻ってきてください。