導入
CLFに合格したあなたが次に目指すのがSAAです。CLFが「用語を知っているか」なら、SAAは「その用語を使って正しい設計を選べるか」を問います。まずはゴールの形を知りましょう。
説明
AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト(SAA-C03) は、AWSでのシステム設計スキルを認定する、アソシエイトレベルの資格です。世界的に受験者が最も多く、クラウドエンジニアの登竜門とされています。
試験は「設計」に焦点を当てた 4つのドメイン から出題され、配点の重みが決まっています。
| ドメイン | 内容 | 配点 |
|---|---|---|
| 1. セキュアなアーキテクチャの設計 | 認証・認可、暗号化、多層防御 | 30% |
| 2. 回復性の高いアーキテクチャの設計 | 高可用性、疎結合、障害対策 | 26% |
| 3. 高性能なアーキテクチャの設計 | スケーラビリティ、キャッシュ、適切なサービス選択 | 24% |
| 4. コストを最適化したアーキテクチャの設計 | 適正なサイズ・購入オプション・データ転送 | 20% |
CLFとの一番の違いは、問題の問われ方です。CLFは「S3とは何か」を問いますが、SAAは次のように問います。
「可用性を最大化しつつコストを抑えたい。どのアーキテクチャが要件を満たすか?」
つまり、複数の正しそうな選択肢の中から、要件(可用性・コスト・性能など)に最も合うものを選ぶ問題です。サービスの知識に加えて、「どういうときにどれを選ぶか」という判断基準が問われます。
flowchart LR
A["CLF: これは何?<br/>(サービスの知識)"] --> B["SAA: どれを選ぶ?<br/>(要件に合う設計判断)"]
- 出題形式: 65問(採点対象は約50問)、選択式(単一選択・複数選択)
- 試験時間: 130分
- 合格ライン: 1000点満点中720点(スコアリング方式)
具体例
CLFとSAAの「問われ方の違い」を、同じS3を題材にした2問で体感してみましょう。
CLFふうの問い:オブジェクトストレージサービスはどれですか。 → 答えは「S3」。知識を1つ思い出せば解ける。
SAAふうの問い:静的なWebサイトを、可用性が高く運用の手間が少なく、できるだけ低コストで公開したい。最適な構成はどれですか。 A. EC2にWebサーバーを立てる B. S3の静的ホスティング+CloudFront C. マルチAZのEC2+ELB D. Lambda+API Gateway
SAAの選択肢は「どれも動く」ものばかりです。ここで効くのが要件のキーワード。「静的サイト・高可用・運用の手間が少ない・低コスト」を全部満たすのは、サーバー管理不要でS3自体が高可用な B。AやCはサーバーの運用が必要で過剰、Dは動的処理向けで用途がずれます。
「サービスを知っている」だけでは選べず、要件に照らして最も釣り合うものを選ぶ——これがSAAの一貫した問われ方です。以降の章では常に「どんな要件のとき選ぶか」を意識して読み進めてください。
読んでみよう
SAAは「暗記」より「判断」の試験です。この後の章で各サービスを学ぶときは、機能だけでなく「どんな要件のときに選ぶのか」を常に意識してください。それがそのまま得点力になります。