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AWS SAP(ソリューションアーキテクト プロフェッショナル)コース · 第3章 複雑な組織のネットワーク設計 · レッスン13

VPCピアリングとその限界 ― 1対1・推移的ルーティング不可という制約

導入

2つのVPCをつなぐだけなら、最もシンプルなのは VPCピアリング です。しかしSAPでは「VPCが10個、20個ある」という前提が普通に出てきます。ピアリングだけで組織全体をつなごうとすると、すぐに破綻します。その限界を理解することが、次のレッスンのTransit Gatewayの必然性につながります。

説明

VPCピアリング(VPC Peering) は、2つのVPC間に直接のネットワーク接続を作る機能です。同一アカウント・異なるアカウント、同一リージョン・異なるリージョンのどちらでも作成できます。

最大の制約は「推移的ルーティングができない」ことです。VPC AとVPC Bがピアリングされ、VPC BとVPC Cがピアリングされていても、AはCと直接通信できません。AとCの間にも別途ピアリングが必要です。

flowchart LR
    A["VPC A"] -- ピアリング --- B["VPC B"]
    B -- ピアリング --- C["VPC C"]
    A -. "直接は通信不可<br/>(推移的ルーティング不可)" .-> C

VPCの数が増えるほど、必要なピアリング数は爆発的に増えます。N個のVPCを全部ピアリングで相互接続するには、N×(N-1)/2 本の接続が必要です。

VPC数全体を相互接続するのに必要なピアリング数
510
1045
20190
比較VPCピアリング
向いている規模数個のVPCを個別に接続
推移的ルーティング不可(この制約が規模拡大の壁)
帯域制限インスタンスのネットワーク性能に依存(追加コストなし)
管理の複雑さVPC数の2乗で増える

読んでみよう

「VPCが数個で、それぞれを個別につなげば足りる」ならピアリングで十分です。しかし問題文に「多数のVPCを相互に接続したい」「今後もVPCが増えていく」とあれば、ピアリングは正解になりにくいサインです。次のレッスンで学ぶTransit Gatewayが本命候補になります。