導入
アカウントが増えるほど、「どこで誰が何をしたか」を全アカウント横断で追跡できないと、セキュリティ監査が破綻します。ログとセキュリティ設定を、組織全体で1箇所に集約する仕組みを見ていきましょう。
説明
組織の証跡(Organization Trail) は、AWS CloudTrail を管理アカウントで作成する際に「組織全体に適用」を選ぶことで、全メンバーアカウントの操作ログを自動的に、1つのS3バケットへ集約する機能です。メンバーアカウント側では、このトレイルを無効化・削除できません。
同様に AWS Config aggregator(集約機能) を使うと、全アカウント・全リージョンのリソース構成情報とルール準拠状況を、1つのアカウントから横断的に確認できます。
これらのログの置き場所として、専用の ログアーカイブアカウント を用意するのがベストプラクティスです(Control Tower でも自動作成されるアカウントです)。
| 集約先アカウント | 役割 |
|---|---|
| ログアーカイブアカウント | CloudTrail・Config・VPC Flow Logs など、生ログの保管専用。他アカウントからは書き込みのみ・削除不可に制限 |
| セキュリティ監査(委任管理者)アカウント | GuardDuty・Security Hub・Macie などの検知結果を横断的に確認する専用アカウント |
委任管理者(Delegated Administrator) という仕組みを使うと、GuardDuty・Security Hub・Macie・IAM Access Analyzer などの管理を、管理アカウント自身ではなく専用のセキュリティアカウントに委任できます。これにより「日常のセキュリティ運用担当者に、組織の管理アカウントそのものへの強い権限は渡さない」という最小権限が実現できます。
flowchart TD
A1["アカウントA"] -->|"CloudTrail/Config"| LOG["ログアーカイブ<br/>アカウント"]
A2["アカウントB"] -->|"CloudTrail/Config"| LOG
A3["アカウントC"] -->|"CloudTrail/Config"| LOG
A1 -->|"検知結果"| SEC["セキュリティ委任管理者<br/>アカウント(GuardDuty/Security Hub)"]
A2 -->|"検知結果"| SEC
A3 -->|"検知結果"| SEC
読んでみよう
SAPでは「あるメンバーアカウントの管理者が、自分の不正操作の証跡を消せないようにしたい」という問題がよく出ます。答えは「組織の証跡として作成し、ログアーカイブ専用アカウントに集約する」ことです。ログの保管場所と、実際にワークロードが動く場所を分離するのが鉄則だと覚えてください。