導入
同じEC2でも、買い方次第で料金は大きく変わります。SAPでは「組織全体でコストを最小化する購入戦略」を問う問題が頻出します。オンデマンド以外の選択肢を整理しましょう。
説明
主要な購入オプションを比較します。
| 購入オプション | 割引率の目安 | 特徴 | 向いているワークロード |
|---|---|---|---|
| オンデマンド | 割引なし | 使った分だけ、柔軟 | 短期・予測不能な利用 |
| Savings Plans | 最大72% | 「1時間あたりの利用金額」を1〜3年コミット。インスタンスタイプ・リージョンを跨いで柔軟に適用 | 継続的だが構成が変わりうるワークロード |
| Reserved Instances(RI) | 最大72% | 特定のインスタンスタイプ・リージョンにコミット。条件を満たせばアカウント間で共有可能 | 構成が固定的で長期継続の基盤 |
| スポットインスタンス | 最大90% | 余剰キャパシティを安価に利用。中断の可能性あり | バッチ処理、CI、フォールトトレラントな分散処理 |
Savings Plans と RI はどちらも「コミットして割引を受ける」点は同じですが、Savings Plans は金額ベースで柔軟性が高く、RI はインスタンス種別に紐づく分だけ柔軟性が低い代わりに条件次第でより細かい制御ができます。SAPでは「構成が頻繁に変わる」なら Savings Plans、「特定のインスタンスタイプが確実に使われ続ける」なら RI、という判断を問われます。
flowchart TD
W["ワークロードの性質"] --> C1{"中断されても<br/>問題ないか?"}
C1 -->|"はい"| SPOT["スポットインスタンス<br/>(最大90%割引)"]
C1 -->|"いいえ"| C2{"構成が変わりうるか?"}
C2 -->|"はい・金額ベースで柔軟に"| SP["Savings Plans"]
C2 -->|"いいえ・特定タイプに固定"| RI["Reserved Instances"]
組織全体で考えるとき重要なのが、Organizations 配下では Savings Plans・RI の割引を全アカウントで自動的に共有できるという点です。管理アカウントで一括購入し、各メンバーアカウントの利用分に自動で適用させることで、アカウントごとに買うより無駄なく割引を使い切れます。これは第2章で学んだマルチアカウント統治とコスト最適化がつながる代表例です。
読んでみよう
「予測できない中断可能なバッチ処理を最も安く動かしたい」→ スポット、「複数事業部のインスタンス構成が流動的だが、長期利用は確実」→ Savings Plans を組織全体で共有、といった組み合わせがSAPの定番パターンです。「一番安い」だけで即スポットを選ばず、中断されても困らないかを必ず確認してください。