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AWS SAP(ソリューションアーキテクト プロフェッショナル)コース · 第9章 既存システムの改善②:パフォーマンスとコスト最適化 · レッスン50

購入オプションの最適化 ― Savings Plans、RI、スポット、組織での共有

導入

同じEC2でも、買い方次第で料金は大きく変わります。SAPでは「組織全体でコストを最小化する購入戦略」を問う問題が頻出します。オンデマンド以外の選択肢を整理しましょう。

説明

主要な購入オプションを比較します。

購入オプション割引率の目安特徴向いているワークロード
オンデマンド割引なし使った分だけ、柔軟短期・予測不能な利用
Savings Plans最大72%「1時間あたりの利用金額」を1〜3年コミット。インスタンスタイプ・リージョンを跨いで柔軟に適用継続的だが構成が変わりうるワークロード
Reserved Instances(RI)最大72%特定のインスタンスタイプ・リージョンにコミット。条件を満たせばアカウント間で共有可能構成が固定的で長期継続の基盤
スポットインスタンス最大90%余剰キャパシティを安価に利用。中断の可能性ありバッチ処理、CI、フォールトトレラントな分散処理

Savings Plans と RI はどちらも「コミットして割引を受ける」点は同じですが、Savings Plans は金額ベースで柔軟性が高く、RI はインスタンス種別に紐づく分だけ柔軟性が低い代わりに条件次第でより細かい制御ができます。SAPでは「構成が頻繁に変わる」なら Savings Plans、「特定のインスタンスタイプが確実に使われ続ける」なら RI、という判断を問われます。

flowchart TD
    W["ワークロードの性質"] --> C1{"中断されても<br/>問題ないか?"}
    C1 -->|"はい"| SPOT["スポットインスタンス<br/>(最大90%割引)"]
    C1 -->|"いいえ"| C2{"構成が変わりうるか?"}
    C2 -->|"はい・金額ベースで柔軟に"| SP["Savings Plans"]
    C2 -->|"いいえ・特定タイプに固定"| RI["Reserved Instances"]

組織全体で考えるとき重要なのが、Organizations 配下では Savings Plans・RI の割引を全アカウントで自動的に共有できるという点です。管理アカウントで一括購入し、各メンバーアカウントの利用分に自動で適用させることで、アカウントごとに買うより無駄なく割引を使い切れます。これは第2章で学んだマルチアカウント統治とコスト最適化がつながる代表例です。

具体例

20アカウントを持つ企業が、購入戦略を組織全体で最適化します。

アカウント個別に買っていた頃:各事業部が自分のアカウントでRIを買っていました。すると、A事業部が買ったRIの枠が余っても、B事業部はそれを使えず、自分でまた買う——割引枠の取りこぼしが発生。

Organizationsで共有した後:

  • 管理アカウントでSavings Plansを一括購入すると、その割引が全メンバーアカウントの利用分に自動適用。A事業部の余りをB事業部が自然に使い切る。
  • ワークロード別の使い分けも徹底:中断されても再実行すればよい深夜バッチはスポット(最大90%引き)、24時間動く安定基盤はRI、近く構成を変える予定のある層は柔軟なSavings Plans。

ここでの落とし穴は「一番安いから」と何でもスポットにすること。中断されて困る本番Webにスポットは不可。「中断されても困らないか」を必ず確認し、確認できたものだけスポットへ。組織全体でのSP/RI共有は、第2章のマルチアカウント統治とコストがつながる代表例です。

読んでみよう

「予測できない中断可能なバッチ処理を最も安く動かしたい」→ スポット、「複数事業部のインスタンス構成が流動的だが、長期利用は確実」→ Savings Plans を組織全体で共有、といった組み合わせがSAPの定番パターンです。「一番安い」だけで即スポットを選ばず、中断されても困らないかを必ず確認してください。

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