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AWS SAP(ソリューションアーキテクト プロフェッショナル)コース · 第7章 事業継続性とディザスタリカバリ · レッスン37

4つのDR戦略 ― コストとRTO/RPOのトレードオフ

導入

RTO/RPOの目標値が決まったら、それを満たす最も安い戦略を選びます。AWSのDR戦略は大きく4段階に分かれており、段階が上がるほど復旧は速くなりますが、その分コストも跳ね上がります。

説明

代表的な4つのDR戦略を、待機系の「温め具合」が低い順に並べます。

戦略概要RTORPOコスト
バックアップ&リストアバックアップだけ取得し、災害時に一から環境を作る数時間〜1日数時間最も低い
パイロットライトコア(DBなど)だけ最小構成で常時稼働、他は停止数十分数分低〜中
ウォームスタンバイ縮小版のフルスタックを常時稼働、災害時にスケールアップ数分秒〜数分中〜高
マルチサイト(アクティブ-アクティブ)複数リージョンで本番同等の構成を常時稼働ほぼゼロほぼゼロ最も高い
flowchart LR
    S1["バックアップ&リストア<br/>RTO:大 コスト:小"] --> S2["パイロットライト"] --> S3["ウォームスタンバイ"] --> S4["マルチサイト<br/>RTO:小 コスト:大"]

それぞれの実装イメージは次の通りです。

  • バックアップ&リストア: AWS BackupやS3にバックアップを保存するだけ。復旧時にCloudFormation等でインフラを作り直す。
  • パイロットライト: DRリージョンにDB(例: Auroraのリードレプリカ)だけ稼働させ、APサーバーはAMIやテンプレートを用意して停止しておく。災害時に起動する。
  • ウォームスタンバイ: DRリージョンに最小台数のAPサーバー・DBを常時稼働。災害時はAuto Scalingでフル規模へ拡張し、Route 53でトラフィックを向ける。
  • マルチサイト(アクティブ-アクティブ): 両リージョンが常時本番トラフィックを受け、片方が落ちてももう片方がそのまま引き受ける。Aurora Global DatabaseやDynamoDB Global Tablesが前提になることが多い。

読んでみよう

SAPの問題では「予算は限られているが、コアデータだけは早く戻したい」ならパイロットライト、「数分のダウンタイムも許容できない、かつ予算は問題にしない」ならマルチサイト、というように要件文の緩さ・厳しさで4段階のどこに落ちるかを判定させます。「最もコスト効率よく、かつRTO◯分を満たす」という問題は、4段階のうちRTOを満たす最も安い戦略を選ぶのが定石です。