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AWS SAP(ソリューションアーキテクト プロフェッショナル)コース · 第10章 移行とモダナイゼーション、そして試験対策 · レッスン57

大容量データの移行 ― DataSync、Snow Family、オフライン vs オンライン判断

導入

サーバーやDBだけでなく、大量のファイルデータそのものを移す場面もあります。数百TB〜PB級のデータを、限られたネットワーク帯域でどう運ぶか。「回線で送る」か「物理的に運ぶ」かの判断がSAPの定番です。

説明

まず判断の分かれ道は、ネットワーク経由(オンライン)か、物理デバイス経由(オフライン)かです。

flowchart TD
    Data["移行するデータ量"] --> Calc{"今の回線帯域で<br/>現実的な時間内に転送できるか?"}
    Calc -->|"できる"| Online["オンライン転送<br/>DataSync / Transfer Family / Storage Gateway"]
    Calc -->|"できない(数週間〜数ヶ月かかる)"| Offline["オフライン転送<br/>Snow Family"]

判断の目安として、「AWSの回線帯域×利用可能な時間」で送りきれるデータ量かどうかを試算します。数十TB程度で高速な専用線があれば数日で送れますが、数百TB〜PB級のデータをオフィスの一般的な回線で送ると数ヶ月かかる、という計算になった場合は、オフライン転送を検討します。

オンライン転送の主なサービス

サービス用途
AWS DataSyncオンプレのファイルサーバー/NASとS3・EFS・FSx間を高速・自動で同期
AWS Transfer FamilySFTP/FTPS/FTPのプロトコルのまま、既存クライアントを変えずS3・EFSへ転送
AWS Storage GatewayオンプレとS3をゲートウェイ経由でシームレスに繋ぎ、継続利用しながら段階移行

オフライン転送(Snow Family)

デバイス容量目安用途
AWS Snowcone数TB小規模・エッジでの収集、コンパクトな現場向け
AWS Snowball(Edge)数十〜百TB級一般的な大容量移行、エッジでのコンピューティングも可能
AWS Snowmobileエクサバイト級データセンター丸ごとの移行など超大容量

Snow Familyは物理デバイスをAWSから取り寄せ、オンプレでデータをコピーしてAWSへ返送する仕組みです。「ネットワークがそもそも脆弱・低速な拠点」「セキュリティ上ネットワーク経由の転送が禁止されている」といった制約がある場合にも有力な選択肢になります。

継続的な連携が必要なケース(移行完了後も一部オンプレ資産を使い続ける、段階的に移行するなど)では、Storage Gatewayでオンプレとクラウドをシームレスに繋ぎ、キャッシュ・階層化しながら徐々にクラウド側へデータを寄せていく、というアプローチも取られます。

読んでみよう

「PB級のデータを、限られた回線で、期限内に移したい」と読んだら、まず帯域での試算が非現実的であることに気づき、Snow Familyを候補に上げてください。逆に「継続的に同期し続けたい」「日々増えるファイルを移行し続けたい」ならDataSync、「既存のSFTPクライアントの仕組みを変えたくない」ならTransfer Family、というキーワード対応を押さえておきましょう。