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AWS SAP(ソリューションアーキテクト プロフェッショナル)コース · 第4章 エンタープライズの認証・認可とセキュリティ · レッスン23

エッジ・ネットワーク保護 ― WAF・Shield・Network Firewall・Firewall Manager

導入

組織の外部との境界(インターネットとの接点)を守るサービス群も、SAPでは「個々のアカウントでバラバラに設定する」のではなく「組織全体に一括で強制適用する」視点が求められます。

説明

エッジ・ネットワーク保護に関わる主要サービスを整理します。

サービス守る対象・レイヤー
AWS WAFWebアプリケーション層(L7)。SQLインジェクション、XSS等の攻撃パターンをルールでブロック
AWS Shield Standard全アカウントに自動付帯。一般的なDDoS(L3/L4)から無償で保護
AWS Shield Advanced高度なDDoS対策。専任のDDoS対応チーム(SRT)、コスト保護、詳細な可視化が追加
AWS Network FirewallVPCレベルのネットワークファイアウォール(L3〜L7)。ステートフルなトラフィック検査、侵入防御
AWS Firewall ManagerWAF・Shield Advanced・Network Firewall・セキュリティグループなどのルールを組織全体に一括管理・強制適用

WAFがアプリケーション層の攻撃パターンを見るのに対し、Network Firewallはネットワーク層でより広範なトラフィック制御(IPS/IDS的な検査、ドメインフィルタリング)を行う点が違いです。両者は併用されることも多く、CloudFront/ALBの前段にWAF、VPCの境界にNetwork Firewallという役割分担になります。

flowchart TD
    Internet["インターネット"] --> Shield["Shield<br/>(DDoS対策・L3/L4)"]
    Shield --> WAF["WAF<br/>(Web攻撃対策・L7)"]
    WAF --> CF["CloudFront / ALB"]
    CF --> NFW["Network Firewall<br/>(VPC境界・L3〜L7)"]
    NFW --> APP["アプリケーション(VPC内)"]

数十のアカウントすべてに同じWAFルールやセキュリティグループポリシーを個別に設定するのは非現実的で、設定漏れのリスクもあります。AWS Firewall Manager をOrganizations管理アカウント(または委任管理者)から使うことで、「全アカウント・全リージョンに、このWAFルールセットを強制適用する」「新しく作られたアカウントにも自動的に適用する」という一元管理が実現できます。

具体例

セキュリティ責任者が「全社のWebアプリに、共通のWAFルール(SQLインジェクション遮断・特定国のブロック)を漏れなく適用したい」と考えました。アカウントは30個あります。

Firewall Managerなし:30アカウントそれぞれで、担当者が個別にWAFルールを設定。1つでも設定漏れがあればそこが穴に。新しいアカウントが増えたら、また手作業で追加が必要。

Firewall Managerあり:Organizations管理アカウント(または委任管理者)から、

  • 「このWAFルールセットを、全アカウント・全リージョンのALB/CloudFrontに強制適用」を1回定義するだけ
  • 新しく作られたアカウントにも自動で適用され、設定漏れが構造的に起きない
  • Shield AdvancedやセキュリティグループのポリシーもFirewall Managerで一括管理

構図はこうです——WAF/Shield/Network Firewallが「何を守るか」、Firewall Managerが「それを組織全体にどう統治・強制するか」。第2章のSCP・Control Towerと同じ「個々の機能」対「組織への強制」の関係です。「全アカウントに強制」「新規アカウントにも自動」はFirewall Managerの強いシグナルです。

読んでみよう

「組織内の全アカウントに同じセキュリティルールを強制したい」「新しく増えるアカウントにも自動で適用したい」という要件は、Firewall Managerが正解の強いシグナルです。個々のサービス(WAF/Shield/Network Firewall)が「何を守るか」、Firewall Managerが「それをどう組織全体に統治するか」という関係を、第2章のSCP・Control Towerと同じ構図で理解しておくと定着しやすいです。

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