導入
多くの企業は、AWSに全面移行する前に、オンプレミスのデータセンターとAWSを安全につないだ ハイブリッド構成 で運用します。オンプレとAWSをつなぐ方法は主に2つあり、SAPでは「どちらを、どう冗長化して選ぶか」が繰り返し問われます。
説明
| 接続方法 | 特徴 | 構築期間 | 帯域・安定性 |
|---|---|---|---|
| Site-to-Site VPN | インターネット経由の暗号化トンネル(IPsec) | 数分〜数時間 | インターネット帯域に依存、揺らぎあり |
| AWS Direct Connect | 専用線でAWSと物理接続 | 数週間〜数ヶ月(回線工事) | 帯域保証、低レイテンシー、安定 |
Direct Connectは専用線ゆえに構築に時間がかかるため、「まずVPNで即座に接続し、並行してDirect Connectを申し込み、開通後に切り替える」 という段階的なアプローチが定石です。また、Direct Connectの物理障害に備えて、Direct ConnectとVPNをフェイルオーバーとして併用する構成も頻出です。
冗長化の観点では、Direct Connectは単一の回線・単一のロケーションが単一障害点になるため、実務では次のように冗長化します。
flowchart TD
ONP["オンプレミス"] --> DX1["Direct Connect<br/>ロケーションA"]
ONP --> DX2["Direct Connect<br/>ロケーションB(別拠点)"]
DX1 --> AWS["AWSリージョン"]
DX2 --> AWS
ONP -. "バックアップ経路" .-> VPN["Site-to-Site VPN"]
VPN -. フェイルオーバー .-> AWS
さらに、複数のDirect Connect接続や複数のVPCを1箇所で束ねたい場合は Direct Connect Gateway を使います。これにより、1本のDirect Connect接続を複数リージョンの複数VPCと関連付けられます(TGWと組み合わせれば、さらに大規模なハイブリッド構成を1つのハブで統治できます)。
読んでみよう
「今すぐ接続したい」→ VPN、「大容量・低遅延・安定性が要件」→ Direct Connect、「両方の要件がある/可用性を最大化したい」→ 両方を併用しフェイルオーバー、という3パターンをまず思い出してください。Direct Connect Gatewayは「複数のDirect Connectと複数のVPC/リージョンを束ねる」役割だと覚えておくと、TGWとの組み合わせ問題にも対応できます。