結論:AWSの独学は「クラウドの基礎 → グローバルインフラ(リージョン・AZ) → 主要サービス(EC2・S3・VPC) → セキュリティと料金 → CLF試験対策」の順で進めるのが最短です。 AWSはサービスが200以上あって最初は迷いますが、初心者がまず押さえるべき範囲は決まっています。その範囲を体系立てているのが AWS認定クラウドプラクティショナー(CLF-C02) という入門資格で、これをゴールに置くと「何を・どの順で学ぶか」が一気に定まります。
この記事は「AWSかAzureかGCPか」ではなく、AWSを学ぶと決めた人が、何をどの順で学ぶかだけに絞って解説します。クラウド全体の位置づけから知りたい人は先に クラウドとは を読んでください。
Become-CoderのAWS入門は全10章54レッスンの読み物リファレンスで、CLF-C02の4ドメインをゼロから網羅しています。手を動かす実行環境はありませんが、図解中心で「サービス同士がどうつながるか」を最短で頭に入れる構成です。登録不要・無料で、下のリンクを開けばすぐ読み始められます。
なぜこの順序なのか
AWSでいきなり「EC2の作り方」から入ると、リージョンやVPC、IAMといった前提が分からず手が止まります。逆に、**クラウドとは何か → どこで動くのか(インフラ) → 何を動かすのか(サービス) → 誰が守るのか(セキュリティ)**の順で登ると、一つひとつが前の知識の上に乗ります。CLF試験のドメイン構成もこの流れに沿っているので、資格を目指すかどうかに関わらず、この順序が効きます。
ステップ1:クラウドの基礎(オンプレミスとの違い)
まずは「そもそもクラウドとは何か」から。自社で買ったサーバー(オンプレミス)と、借りて使うクラウドの違いを押さえます。
用語で迷ったら IaaS / PaaS / SaaS と 仮想化 も合わせて引いてください。ここは「AWSの操作」ではなく「クラウドという発想」を理解する段階です。
ステップ2:グローバルインフラ(リージョン・AZ)
次に、AWSの中身が世界のどこで動いているかを掴みます。ここを飛ばすと、あとで出てくる「可用性」「マルチAZ」の話が理解できません。
「リージョンとAZ」は初心者が最初につまずく概念なので、リージョンとアベイラビリティゾーン の用語ページも用意しています。設計の指針である Well-Architected Framework は、CLF試験でも頻出です。
ステップ3:主要サービス(EC2・S3・VPC)=ここが本丸
AWSの土台が見えたら、いよいよ「よく使うサービス」に入ります。数は多いですが、初心者がまず覚えるのは**計算(EC2)・保存(S3)・ネットワーク(VPC)・データベース(RDS)**の4本柱です。
- 計算する → EC2 ― 仮想サーバー(用語: EC2)
- 負荷分散 → ELBとAuto Scaling(用語: Auto Scaling)
- サーバー管理不要で動かす → サーバーレス ― Lambda(用語: AWS Lambda)
- 保存する → S3 ― オブジェクトストレージ(用語: S3)
- データベース → マネージドデータベースとRDS(用語: RDS)/DynamoDB ― NoSQL(用語: DynamoDB)
- ネットワーク → VPC ― 自分専用の仮想ネットワーク(用語: VPC)
- 配信 → CloudFront ― CDN(用語: CloudFront)/Route 53 ― DNS(用語: Route 53)
このステップはサービス名と「何をするものか」を1対1で結びつけるのがコツです。全部を深く覚える必要はなく、「保存ならS3」「計算ならEC2」と反射で出るようにするのが第一目標です。
ステップ4:セキュリティと料金(AWSの守りとお金)
サービスが分かったら、「誰が守るのか」と「いくらかかるのか」を学びます。CLF試験でも配点の大きい領域です。
- 責任共有モデル ― どこまでがAWSの責任か(用語: 責任共有モデル)
- IAM ― ユーザー・グループ・ロール・ポリシー(用語: IAM)
- CloudWatch ― システムを監視する(用語: CloudWatch)
- AWSの料金の考え方 ― 従量課金と無料利用枠
- サポートプラン ― 5段階の選び方
責任共有モデルは「AWSが守る範囲」と「利用者が守る範囲」を線引きする考え方で、AWSセキュリティの出発点です。ここを理解すると、なぜIAMの設定が自分の責任なのかが腹落ちします。
ステップ5:CLF試験対策(総仕上げ)
一通り学んだら、知識を試験の形に整えます。CLF-C02は選択式で、暗記より「サービスの使い分け」を問われます。
「S3とEBSの違い」「セキュリティグループとネットワークACLの違い」のような紛らわしいペアが合否を分けます。早見表と比較の回を繰り返し読んで、区別を体に入れてください。
AWSと一緒に学ぶと強い分野
AWSはインフラの上に成り立つので、土台となる知識があると理解が一段深まります。
- サーバーやプロセスの基礎から固めたいなら → インフラエンジニア独学ロードマップ
- コンテナを一緒に学ぶなら → Docker入門チュートリアル(AWSでもECS/Fargateでコンテナを動かします)
- Linuxコマンドに不安があるなら → Linuxコマンド入門
AWSの操作の多くはLinuxサーバーの上で行うため、基本的なコマンドとネットワークの知識があると、EC2やVPCの理解が格段に速くなります。
つまずきやすいところ
- サービスが多すぎて何から覚えるか分からない → 全部を覚えようとせず、まず「計算=EC2/保存=S3/ネットワーク=VPC」の3つに絞る。枝葉は後から生えます。
- リージョンとAZを混同する → リージョン(地理的なまとまり)の中に複数のAZ(独立したデータセンター群)がある、という入れ子関係で覚える。詳しくは リージョンとアベイラビリティゾーン。
- 「無料利用枠」で始めたのに課金された → 無料枠には上限があります。料金の考え方(aws-45)を先に読んでおくと安心です。
次に読む
- AWS入門のトップ ― まずは第1章「クラウドとは何か」から
- EC2 ― 仮想サーバー ― AWSでいちばん使うサービス
- S3 ― オブジェクトストレージ ― 保存の定番
- クラウドとは ― そもそも論から確認したい人へ