導入
同じ性能のEC2インスタンスでも、「買い方」を変えるだけで料金は数倍変わります。CLF試験でも頻出のコスト最適化の核心が、このEC2購入オプションの使い分けです。
説明
EC2には主に5つの購入オプションがあります。用途に応じて使い分けることで、無駄なコストを削減できます。
| 購入オプション | 特徴 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| オンデマンド | 使った分だけ秒/時間単位で課金。契約不要でいつでも止められる | 短期利用、予測できないワークロード、開発初期 |
| リザーブドインスタンス(RI) | 1年or3年の利用を契約する代わりに大幅割引 | 常時稼働することが分かっているサーバー |
| Savings Plans | 「1時間あたりいくら使う」という金額をコミットして割引(インスタンスタイプを自由に変更可) | 使用量が安定しているが構成は変えたいケース |
| スポットインスタンス | AWSの余っている計算力を最大90%引きで利用。AWS側の都合で中断されることがある | バッチ処理、CI/CD、途中で止まってもよい処理 |
| Dedicated Host(専用ホスト) | 物理サーバーを1台まるごと専有し、物理ソケット・コアまで見える | 持ち込みライセンス(BYOL)、コンプライアンス上の要件 |
| ハードウェア専有インスタンス(Dedicated Instances) | 他の顧客とハードウェアを共有しないが、物理サーバーそのものは指定できない | 「他社と同じ物理マシンに乗らない」ことだけが要件のとき |
| キャパシティーの予約(On-Demand Capacity Reservations) | 特定のAZに容量だけを予約する。割引ではなく「必ず起動できる」ことを買う | セール当日など、確実にインスタンスを確保したいとき |
- スポットは最安だが「2分前通知で中断される」ため、途中経過を保存できないような重要な処理には不向き。
- リザーブド/Savings Plansは事前コミットが前提。使う量が読めているなら積極的に使うべき。
- オンデマンドは「まず試す」「様子を見る」段階の基本形。
- 専用ホストとハードウェア専有インスタンスの違いは紛らわしいポイントです。「物理サーバーを指名して、同じ物理マシンを使い続けたい(=ライセンスをコアに紐づけたい)」なら専用ホスト、「他社と物理マシンを共有しない、それだけでよい」ならハードウェア専有インスタンスです。
- キャパシティーの予約は割引の仕組みではありません。料金はオンデマンドのまま、「そのAZでインスタンスを起動できる枠」を確保するものです。割引が目的ならRIやSavings Plansを使います。
具体例
あるSaaS企業のインフラ担当が、全部オンデマンドで動かしていたEC2代を見直しました。ワークロードごとに買い方を変えるだけで、性能はそのままに料金を大きく下げられます。
| サーバーの役割 | 稼働のしかた | 選んだ買い方 | ねらい |
|---|---|---|---|
| 本番のDBサーバー | 24時間365日ずっと起動 | リザーブド(3年) | 常時起動が確定 → 最大級の割引 |
| 深夜の集計バッチ | 毎晩1時間だけ、途中で止まっても再実行可 | スポット | 最大90%引き。中断されても困らない |
| 新機能の検証環境 | いつ使うか読めない、すぐ止めたい | オンデマンド | 契約に縛られず自由に起動・停止 |
結果、EC2の月額は数割の削減に。ポイントは「使う量が読めるものほど事前コミット(RI/Savings Plans)で安くし、読めない・止まってもよいものはオンデマンドやスポットにする」という切り分けです。
読んでみよう
試験では「常時起動のDBサーバーにはRI」「中断されても困らないバッチにはスポット」のような状況に応じた選択が問われます。値引き率の暗記より使い分けを意識しましょう。